生存報告と読書記録
お久しぶりです。
なんとびっくり、生きています。わお。
久しぶりにログインして過去の記事を見てみたらあらふしぎ。虫さんトコトコ。誰だこいつ。自我クラッシュ。
誰しも自分の過去の文章や絵、ないしは黒歴史を見て一種の自己嫌悪に浸ることはあると思うんだけど、そういうことが数か月スパンで起こる人間もいる。たぶんそういうことです。影響を受けやすい......のか?
知らんけど。よくない傾向ですね。自我が欲しい。確固なやつを、ひとつ。
こんなところで駄文を書き連ねていることからわかる通り、することがない。来週には地理/地学オリの一次予選があるにはあるけど、地理はなんとかなるはずだし、地学はたぶんまた落ちる。実は同じことをこれまでに三回繰り返している。まったく学習していない。二重の意味で。
ということで、あてもなく書評を書き連ねます。
はじめに
金がない。
──人類史に幾万、幾億と繰り返されたであろうこの悲痛な嘆きをいまだ繰り返すオタクがいる。自己紹介ではなくて(そうなんだけど)言い訳です。実際、ここ数か月で大規模に余剰金銭を投資したのは嗜好食料と、本と、声優のCDくらい。おそらくあとの二つがよくなかった。水瀬いのりさん可愛すぎませんか。くるおしいほどすき。
それでは愚かなオタクの出費内訳(の一部)をご覧ください。
グラン・ヴァカンス
- 作者: 飛浩隆
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 文庫
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説明書きで惚れ込んだ。結構前のSFです。インターネッツで書評を読んで、新宿のBook 1stに立ち寄ったらあった。
端的に言って残酷で、かつ美しい。作者もあとがきでそう心がけたと書いているし、実際その通りだと思った。正直年齢制限があってもおかしくないレベルだけど……純文学のことを考えると普通か。好きなタイプの作品。特に世界観とか。
BLAME! THE ANTHOLOGY
弐瓶勉さんの漫画「BLAME!」の小説版アンソロジー。こっちを買っておいて、実は本編を読んでません。いつか絶対読む。本編は「少女終末旅行」「横浜駅SF」にも影響を与えたSF漫画の金字塔です。好きですね。「セーフガード」という概念がめちゃくちゃすき。輸入制限のほうじゃないです。
裏世界ピクニック
裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 宮澤伊織
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/02/28
- メディア: Kindle版
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百合。ホラー。作者の方が以前インタビューを受けていて、それを読んでから買った。
いろいろ変わったJD二人が日常と隣り合わせの、奇妙で危険な世界を探検していく話。さまざまな怪異と人間の知覚、認識を密接に関連づけているところに面白さがあるというか。認知と自我......みたいな。結構めんどくさい百合で、作者の百合愛を感じた。
人形の国
- 作者: 弐瓶勉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/09
- メディア: Kindle版
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しれっとSF漫画を紛れ込ませてゆく。漫画は情報密度を考えて(小説に比べれば)あまり買わないんですが、珍しく。
「シドニアの騎士」と近い(ひょっとすると同じ)世界観。でももっと終末世界。変身バトル的な要素があって、ちょっと好みと無縁な感じだったけど弐瓶勉ガジェットは健在。文明崩壊後に技術が失われた文明遺物が信仰されてるのとかすごく好きです。
ハッピーシュガーライフ
ハッピーシュガーライフ(1) (ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 鍵空とみやき
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2015/10/22
- メディア: コミック
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みんな大好きクレイジーサイコレズ。精神が安定してるときに読まないと狂気に蝕まれるよ。最新巻まで一気に買ったけど、5巻の最後の方とかたまりませんね。ネタバレはしません。
極端な話、これも美しさと残酷さかもしれない。
虚無のススメ
お久しぶりです。
今日はあともう一つくらい上げる予定だけどとりあえず読書感想でも。
n冊くらい読んだ中から二つだけ、短めで。
一般に世界三大ディストピア小説といえば、最初にみんな大好きジョージ・オーウェル「1984年」、次にちょっとマニアックなエヴゲーニイ・ザミャーチン「われら」、最後に私が最近まで知らなかった「素晴らしい新世界」だと思っている。いま勝手に決めた。
この作品がまた面白くて、1932年(=犬養毅首相暗殺年!)に書かれたにもかかわらず、実は三つの中ではいちばん(ただし、「われら」も舞台は26世紀らしいので同じくらいではある)未来の世界が舞台となっているのである。ずばりAF(フォード紀元)632年、すなわち西暦2540年。
設定自体も一般のディストピア小説の範疇に収まるようなものではあるんだけど、それを「1984年」とか、あるいは冷戦によるソ連の敵視の以前に書いた点は元祖というか、先見の明としか言いようがない。
しかもこの作品の世界、いわゆるディストピア小説的な「暗さ」よりも、吹っ切れたような「気楽さ」があってそこがまた異色。2+2=5(英語版Wikipedia参照)のような世界ではないのに、人類はみんな操り人形。よく海外のディストピア小説は共産主義への警鐘を鳴らすような趣旨で描かれることがあるが、この小説は違う。幸福を強制するから誰も不幸になりえない──それなのに、主人公たちは不幸が足りないがために不幸という皮肉。どうも奇妙な読後感がある。
これ以上ネタバレはしないが、著者のハクスリーが親族に科学者や詩人をもつ知識人なのもあって、作中の科学とその描写は結構現実的。1932年に書かれたことを意識して読むとやっぱり驚く。また文明社会への皮肉も効いていて大変イギリス人らしい。
「1984年」を読んだことがある、あるいは知っている人にはぜひ読んでほしい作品。
- 「時をとめた少女」ロバート・F・ヤング
こっちもSF。ただしいわゆる文学的なやつ。
普段はSFのなかでもスペースオペラ的な方向のものばかり読むので、たまには違う感じのに手を出してみようと思って買った。
基本的に愛情とか感情に関わる短編がまとめられていて、おそらく人によってかなり評価が分かれる。
実際女性の行動とかが一般のラノベばりの都合のよさを誇ってるので、そこはちょっと減点要素かもしれない。ただそれぞれの短編の雰囲気とかは結構好きなので、私はいいと思った。
特に途中の「真鍮の都」なんかはSFと歴史(というか民話)の融合した感じが凄くよい。あとドニヤザードが可愛らしい。この短編はのちに長編化されて「宰相の二番目の娘」という題で出版されているので、機会があったら読んでみたい。
総評としてはなんというか、詩人が書いたSFといった感じ。全体的に読後感が温かくて、SFというよりやっぱり純文学のほうが近いかも?
感想は以上。なにかあったらTLで。
あいさつ
こんにちは。
ノリと勢いだけで始めてしまった。
果たしてこんなもの誰が読むかはわからないし、あるいは誰も読まないのかもしれないけれど、はじめにあいさつだけはしておく。
……とはいえ、書きたいことは腐るほどある。大体は腐るまえに蒸発して忘れちゃうけど。
せっかくなので、ブログを書こうと思った理由だけでも書いておきたいと思う。読んでくれているだれかさん(基本的に私のフォロワーを想定している)、ここからは私の退屈な文章との闘い。
そもそも私は文章を書くのが得意ではない。あくまで推測に過ぎないけれど、この感覚は小学校の読書感想文に由来しているように思える。
仮にも中学受験をした身であるから、小学校中学年/高学年の夏休みが地獄であることくらいは体験している。相当な頻度で塾に通って、出される宿題を次の登校日までにこなす。時には答えを不自然なく写す高等テクニックも使ったが、Sピックスの人海もとい問題海戦術には勝てなかった。結果として家にいる時間のうち、かなりが宿題に奪われた。
そのうえ学校の課題までが私を襲う。普段の宿題と同様の「問題を解く」たぐいのものならば、人並みよりは早く終わらせることができた。
けれどこの世にはどうあがいても時間がかかるし、上手くいくとも限らないような課題というのも確かにある。その代表格が、読書感想文だった。
つまり、要求されるような作文が苦手なのである。はじめに「文章を書くのが苦手」と言ったが、これはぶっちゃけ嘘。別に好き勝手書いているぶんにはまったく苦にはならない。
話を本題に戻す。ブログを書く理由だが、単刀直入に言えば「他人に文章を読んでもらいたい」、それだけである。
ブログに限らずインターネットに掲載する文章というのは不思議なもので、こうやって推敲していても見えない読者の存在を仮定して文章を書いてしまう。まあ自明といえば自明だが、なんというか感慨深い。エモい。
一方で、見方を変えればどんなことでも書けるのもまたインターネットならではな気がする。例えばここに"ソビエト連邦万歳!ураааааааааааа!"とか、"われわれの敬愛なる最高指導者金正恩同志、万歳!"なんて書いても一切問題ないわけで、好き勝手書ける。
要するに、ブログにおいては読み手の意識をある程度意識しつつ、それでいて好き勝手書けるということ。当然良識の範囲内には限られるが、先程の例くらいならたぶんセーフ。たぶん。
ということで、せっかく日本国憲法第19条と第21条で思想/表現の自由が保証されてるようなので、好き勝手書いてみます。長くなったけれど、以上。